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vol.17 腸活・腸内環境を整える

2023.05.12

“腸活”とは、腸内の環境を整えることを言います。病原菌からからだを守る免疫細胞の約70%が腸に存在し、腸には免疫力を高める機能があることが分かっています。また、腸は「第2の脳」と言われる臓器で腸と脳は密接に関係しており、さまざまな神経伝達物質の生産の指令を出しています。つまり、“腸活”をすれば、からだ全体にいい影響を与えることができます。
今回は腸内環境を整えるために、おすすめの食事、睡眠、運動についてお伝えします。


腸内細菌について

人間の大腸には約1000種類、100兆個にも及ぶ腸内細菌(腸内フローラと呼ばれる)が生息しています。腸内細菌は、大きく分けて3つのグループで構成されています。
善玉菌、悪玉菌、そのどちらでもない中間の菌です。これらの菌は互いに密接な関係を持ち、複雑にバランスをとっています。腸内細菌の中で一番数が多い菌は中間の菌で、次に善玉菌が多く、悪玉菌は少なめです。

【悪玉菌】
たんぱく質や脂質が中心の食事・不規則な生活・各種のストレス・便秘などが原因で、腸内で増えます。
【善玉菌】
ヨーグルト・乳酸菌飲料・納豆・漬物など、ビフィズス菌や乳酸菌を含むものです。

 

善玉菌で嬉しい効果と腸を元気にする食事

善玉菌の嬉しい効果
善玉菌が増えると、以下のような嬉しい効果があります。

                 

美味しく食べて腸を元気に!
腸内フローラは毎日少しずつ入れ替わっています。だからこそ、栄養バランスのとれたメニューを食べることが大切です。善玉菌のエサとなる食物繊維、なかでも水溶性の食物繊維を多く含んでいる食べ物を意識して摂ることが重要です。
水溶性食物繊維を多く含んでいる食べ物は、意識していないと不足しがちで、以下の食品は、水溶性の食物繊維が豊富に含まれているので、積極的に摂ることがおすすめです。

穀類…大麦・オートミール・ライ麦パン・そば・豆類
野菜…ごぼう・アボカド・人参・キャベツ・セロリ・切り干し大根・山芋・オクラ・なめこ
海草…とろろ昆布・わかめ・昆布・めかぶ・もずく
果物…りんご・プルーン・いちじく・いちご

 

腸を元気にするには、睡眠と運動も大事

睡眠中は基本的に副交感神経が強く働いている状態で、腸のぜん動運動(消化した食べ物を腸が伸びたり縮んだりする動きを繰り返して腸内を移動し、からだの外へ出す動き)がしっかり促され、翌朝の排便につながります。夜にぐっすり眠ることは、腸が正常に働くためにも、とてもいいことです。

しかし、脳がストレスを感じて、夜になっても交感神経が強く働いているままだと、自律神経のリズムが狂い、寝つきが悪く眠りが浅くなります。また、強いストレスを感じていなくても、深夜までの仕事や、暗い中でスマホを見ながらの夜更かしをすると、自律神経のリズムが狂います。睡眠不足になると、腸のぜん動運動がしっかり行われず、翌朝の排泄に上手く繋がりません。それを繰り返せば当然便秘になります。
便秘は悪玉菌を増やし、腸内環境を悪化させます。腸の動きを整えて腸内環境を良くするためには、適度な運動も大切です。からだを動かすエクササイズや、ウォーキングなどを取り入れることは、腸を元気にするためにもおすすめです。

 

健康や美容分野で高い関心が持たれている“腸活”も、腸内細菌のバランスをいかに整えるかが重要です。腸内環境を整えることは、お腹の調子を整える、免疫力を高める、肌を健康に保つなど、腸の元気はからだの元気につながります。
食事、運動、睡眠など生活を整えることを意識してみませんか。

参考URL
厚生労働省e-ヘルスネット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-003.html
 

text/管理栄養士 木村 典子

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