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vol.25 鉄分は足りていますか?

2023.09.08

「朝起きて、何とも言えないだるさがある」、「頭や肩が重い感じがする」、「肌の張りや血色が悪い」…日常でそんな症状が気になる人は、もしかするとそれは鉄不足によるものかもしれません。
鉄欠乏は世界の三大微量栄養素欠乏として知られており、日本人にとっても不足しやすい栄養素の一つです。からだに吸収されづらい鉄を効率よくとるためには、ちょっとした工夫が必要です。
今回は、生き生きと毎日を送るために欠かせない栄養素「鉄」について、触れていきたいと思います。
                                                          

鉄が不足するとどうなる?

貧血の原因の8~9割は「鉄欠乏性貧血」と言われています。その名のとおり、体内の鉄が不足することによって起こります。鉄は、血液中の赤血球の成分であるヘモグロビンを作る上で必要な栄養素です。ヘモグロビンは、”酸素の運搬”や”老廃物である”二酸化炭素の回収”などの働きがあります。体内の鉄が不足すると、ヘモグロビンが上手く作られず、全身の組織が酸欠状態になってしまいます。だるい、頭や肩が重いと感じるのは、これによるものかもしれません。

また、鉄不足は美容の面でも影響が出てきます。コラーゲンは肌の潤いを保つ役割があり、体内でコラーゲンを作る際に、鉄とビタミンCが必要です。鉄が不足すると、上手くコラーゲンが作られないため、シワができやすくなります。                                                   
                                                         

効率よく鉄を摂るには?

❶肉や魚など動物性食品から摂る
肉や魚に含まれる鉄は「ヘム鉄」といい、野菜や卵、乳製品に含まれる「非ヘム鉄」に比べると体内への吸収率がおおよそ5倍と高いです。なぜなら、たんぱく質が鉄と結びつくことで腸からの吸収を助けてくれるため、効率よく鉄を摂ることができるからです。

❷食べ合わせを工夫する
からだに吸収されづらい鉄ですが、食べ合わせにより吸収率が上がると言われています。野菜や卵、乳製品に含まれる「非ヘム鉄」は、ビタミンCと一緒に摂ることで吸収率を高めます。ビタミンCを多く含むパプリカ・ブロッコリーなどの食材を使用や、キウイフルーツ・オレンジなどをデザートで付け合わせてみるのも良いですね。
また、葉酸やビタミンB12は、赤血球を作る上で必要な栄養素です。積極的に摂ることで貧血の予防や改善につながります。“鉄分=レバー”と思ってしまう方も多いと思いますが、鉄はいろんな食材に含まれているので自分にあった食べ合わせの工夫を取り入れてみましょう。
             
                                                     

生活で気を付けることは?

❶よく噛む
胃腸の働きが悪いと鉄の吸収率が下がってしまいます。またよく噛むことで胃酸の分泌が促進され、吸収率を高めることができます。「ひとくち30回嚙みましょう!」とよく言われますが、よく噛んで損になることはありません。自分がひとくちに何回噛んでいるのか、ぜひ数えてみてくださいね。

❷軽めの運動
運動により新陳代謝が活発になり、赤血球を作るのが促進されます。ウォーキングなどの有酸素運動が効果的です。

❸加工食品、インスタント食品の摂取に注意する
添加物として使用されているリン酸カルシウムは、鉄の吸収を妨げる性質があります。そのため、加工食品やインスタント食品を多く摂ると、鉄を効率よく吸収できなくなります。手軽に利用しやすい反面、頻繁に加工食品などを利用している場合は注意しましょう。

❹偏ったダイエットをさける
糖質や脂質をとる量を減らすとエネルギー不足になり、体内のたんぱく質がエネルギーとして消費されてしまいます。すると体内に鉄が足りていても、たんぱく質が不足しているのでヘモグロビンを作ることが出来なくなり、貧血の症状が現れるようになります。バランスの良い食事を普段から心がけることが大切です。                                                   

                                                          

いかがだったでしょうか。
元気に過ごすためには、鉄は重要な栄養素ですが、鉄の摂取だけを意識していれば大丈夫といった様なものではありません。日々の生活の中で食事や運動など工夫できる事から取り入れて、生き生きとした日々を送っていきましょう。

 

text/管理栄養士 渡邉 結香

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