お知らせ News

vol.30 たんぱく質は足りていますか?

2023.11.24

みなさんの「たんぱく質」は、足りていますか?
たんぱく質は筋肉や臓器などからだを構成する成分で、とても重要な栄養素です。また、からだの機能を調節する酵素やホルモン、免疫物質の材料として、さまざまな機能を担っています。
たんぱく質は主菜(肉・魚・卵・大豆製品)に多く含まれています。保健指導をしていると、ダイエットのために食事量を減らしている方や、欠食をしている方、麺類などの単品やゼリー飲料など簡単に食事をすませている方がいらっしゃいます。このような食事だと、からだに必要なたんぱく質がとれていないと感じます。そこで今回は、たんぱく質のとり方について触れていきたいと思います。
                                                          

たんぱく質が不足してしまうと

たんぱく質が不足すると、不足分はからだから補充されるため、からだの筋肉量は減少します。成長障害や、体力や免疫機能の低下につながり、階段の登り降りがきつい、食べ物を噛む力が弱まる、代謝が落ちる、などもあります。また、肌や髪の毛のツヤが失われたり、代謝が悪くなることで逆に太りやすくなったりします。

最近では、高齢者のからだや心のはたらきや社会的なつながりが弱くなった“フレイル”が問題となっています。フレイルとは、虚弱を意味し、健康な状態と要介護状態の中間の段階を指します。
「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」では、新たに高齢者の低栄養予防・フレイル予防も視野に入れて策定されています。フレイル予防の観点から、たんぱく質を肉類だけでなく魚や大豆・大豆製品などさまざまな食品からとることをすすめています。
また、たんぱく質が不足すると筋肉量が低下するため、ダイエットをしている若い女性も注意が必要です。筋肉量の低下により、将来生活習慣病になるリスクを高めてしまうこともあります。                                                   
                                                         

たんぱく質不足にならないための食事のとり方

良質なたんぱく質は、主菜(肉・魚・卵・大豆製品)に多く、乳製品(牛乳・ヨーグルト・チーズ)や主食(ご飯・パン・麺類)にも含まれています。1日に必要量をとることが重要ですが、吸収のことを考えると3食に分けてとると効率が良いです。

どの食品に何gのたんぱく質が含まれているかなどを調べて計算するのは大変です。
そこで自分の手を使った「手ばかり」を参考にすると、簡単にバランスよく自分の適量をとることができます。
「手ばかり」とは文字通り、手を使って食材をはかり、食べる量を調整してバランスよく食事をとる方法のことです。体格や活動量の違いによって人それぞれ、食べるべき量は異なるため、自分の手を使うことで自分にあった食事の量を手軽に知ることができます。たんぱく質が多く含まれる主菜の目安は、毎食手のひら1枚分、厚みは手のひら程度です。魚、肉、卵、豆腐を、朝食、昼食、夕食にバランスよく振り分けてみましょう。                                                   
                                                         

たんぱく質を上手にとるコツ 

まずは普段の食事を振り返り、毎食主菜が手のひら1枚分とれているか確認してみてください。一日の食事回数が少ない方や、外食が多い方は、とれていない場合が多いかもしれません。
外食する際は、メインのおかずがある定食タイプを選んだり、冷や奴や納豆などの小鉢をプラスしたりすると良いでしょう。また最近では、コンビニなどでも高たんぱくのヨーグルト、プロテインドリンク、プロテインバーなどの商品が販売されています。食事だけで必要なたんぱく質をとることが難しい場合は、間食にたんぱく質を含む食品をとることもおすすめです。
この時の注意点として、たんぱく質が多く含まれる食品だけに偏らず、他の栄養素も一緒にとることです。体内のカルシウム吸収を促して骨を増強するとともに、筋肉をつくることを促す働きがあるビタミンDや、消化や吸収を促すビタミンB1、B2、B6もたんぱく質と一緒にとることが大切です。主菜に偏らず、野菜や海藻類、乳製品など、バランスよく食べるようにしましょう。                                                   

                                                          

なんとなく疲れている、元気がない時は、もしかしたら、たんぱく質や何かの栄養素が不足しているからかもしれません。
からだは日々の食事からできています。楽しく食事をするためにも、健康維持のためにも食事の内容を意識してみてくださいね!

 

text/管理栄養士 渡辺  千穂

保健指導に関することなら
株式会社ウェルクルへ

プライバシーポリシー