vol.36 ちょっとした工夫ですぐできる減塩のコツ
2024.02.23「高血圧が気になるけどなかなか減塩できない!」とお困りの方は、いませんか?日本人のおよそ2人に1人が高血圧症で、世界と比べて食塩摂取量が多いことが影響していると考えられています。ご飯やお酒に合う、味の濃いおかずは美味しいですよね。今回はちょっとした工夫でできる、減塩のコツについてお伝えしたいと思います。
日本人の食塩摂取量は?
令和元年の国民健康・栄養調査によると、1日当たりの食塩摂取量は男性10.9g、女性9.3gでした。10年間でみると男性、女性ともに減少傾向ではありますが、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、1日当たりの食塩摂取の目標量を18歳以上の成人男性で7.5g未満、女性で6.5g未満と設定しています。また、高血圧症や慢性腎臓病(CKD)の重症化を予防するための食塩摂取量は、2020年から男女共に1日6g未満に設定されました。
このように、高血圧者の減塩目標と比較すると、1日当たり男性では4.9g、女性では3.3gも多く食塩を摂ってしまっていることがわかりますね。
家でできる減塩のコツ
①ソースやしょうゆはかけるよりつける
食塩摂取の約7割は調味料から摂っていると言われるほど、調味料からの食塩摂取量は多いです。物足りないかどうか、まず味を確かめてみてください。調味料を追加する場合でも、ソースやしょうゆをかける場合と比べて別皿に出してつけて食べるようにすると、摂取量を少なくすることができます。
②減塩商品は量に注意!
減塩しょうゆや減塩ドレッシングは、物足りないという理由で多く使ってしまいがちです。量が多くなると、からだに入る塩は増えるので適量を心掛けましょう。
③ノンオイルドレッシングには要注意?!
ノンオイルでも美味しいドレッシングはたくさんありますが、食塩量が多い傾向にあります。ドレッシングは大さじ1杯が目安です。
④スパイスや酸味、だしなどの風味を効かせる
味付けをする際に、カレー粉や一味唐辛子などの香辛料、レモンや酢などの酸味を使うことで塩分を減らすことができます。また、しそやミョウガ、ネギなどの薬味や、だしを効かせることで、薄味でも満足することができます。
⑤味の濃さにメリハリを持たせる
濃い味のおかずを1品と、薄い味のおかずを2品など、メニューの中でも味の濃さにメリハリをつけて組み合わせることで、無理なく食塩摂取量を少なくすることができます。
外食でできる減塩のコツ
①ラーメンやそば、うどんの汁は飲まない
S社のインスタントラーメンでは、汁を全部飲んだ場合の食塩量は6.1gです。これだけで1日当たりの食塩摂取目標量をほぼ摂取してしまうことになります。ラーメンに限らず、そばやうどんの汁は飲まないのが理想ですが、まずはレンゲ数杯分に控えてみてはいかがでしょうか。
②丼より定食を選ぶ
かつ丼や牛丼、親子丼などはソースや汁がご飯にしみこんでおり、減らすことが難しいです。定食を選んで調味料の量をご自身で調節するのがおすすめです。定食の場合で、すでに調味料がかかっている場合は別添えにしてもらうのもいいですね。
③もったいない!でも残せば減塩に
お弁当についている漬物やソースなどの調味料類には、塩が含まれています。市販のおかずや外食は、味の濃いものが多いです。残すのに気が引けるときは、抜いてもらうのもいいかもしれませんね。
いかがでしたでしょうか。日常に取り入れられそうなものはありましたか?
食塩摂取量を1日に1g減らすことで血圧は1mmHg減らせることがわかっています。おいしく減塩をして、健康なからだを保つために、まずはちょっとした工夫から始めてみてはいかがでしょうか。
text/管理栄養士 中田 摩耶