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vol.41  考えてみよう がんのこと

2024.07.19

ウェルクルでは、来月から定期健診シーズンに入ります。
生活習慣病健診は、特定健診の項目に胃透視などが追加されています。
胃の検査は、「がん検診」です。胃の他に、乳がん検診や子宮がん検診もオプションで受けられます。

がん検診の種類

「検診」は疾患を見つけるための検査で、健康づくりのための「健診」とは異なります。
「がん検診」は「がん」を見つけるための検査です。
何か症状があって検査を受ける場合は医療の一環となりますが、検診は無症状で健康な人が受けるものです。
日本人に多い「がん」は、検診として実施することに利益があるとして制度化されています。

がん検診は「健康増進法」という法律に基づいて、市町村の事業として行われています。
「がん」は臓器、血液、骨などさまざまな種類がありますが、国が推奨するがん検診は5種類あります。
日本人に多い「胃がん」、「肺がん」、そして増えてきている「大腸がん」。女性特有のがんとして、「子宮頸部がん」や「乳がん」があります。

国が推奨するがん検診の一覧

  対象者 検査方法 受診間隔
胃がん検診 50歳以上 問診および、胃部X線検査※1または胃内視鏡検査のいずれかを選択 (いずれか一方を)2年に1回
肺がん検診 40歳以上 問診※2および胸部X線検査および喀痰細胞診※胸部X線、喀痰   (喫煙歴など条件あり) 1年に1回
大腸がん検診 40歳以上 問診および便潜血検査(免疫法) 1年に1回
乳がん検診 40歳以上 問診※2および、マンモグラフィ
※視診・触診の単独実施は推奨しない
2年に1回
子宮頸がん検診 20歳以上 問診、視診、子宮頸部の細胞診および内診 2年に1回

※1当分の間、胃部X線検査については40歳以上、1年に1回の実施も可とされている。
※2肺・乳がん検診の問診では必ずしも医師が対面で聴取する必要はなく、自記式の質問用紙に記入することで問診の代わりとしてよいことになっている。
※3喀痰細胞診の対象は、50歳以上で、喫煙指数(1日本数×年数)が600以上の方。
                                                    出典 厚生労働省「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」
                                                       厚生労働省「職域におけるがん検診に関するマニュアル」

がんは、身近な病気

一生のうち2人に1人は「がん」と診断

一生のうち2人に1人は「がん」と診断されます。
令和元年に新たに診断された「がん」はおよそ100万例です。
同年のデータから、一生のうちに「がん」と診断される人は、男性は65.5%(2人に1人)、女性は51.2%(2人に1人)*1といわれています。

「がん」は現在も、日本人の死亡理由のトップです。
「治らない・死に至る病気」というイメージがありますが、検診などで早期に見つかり治療する機会が増え、近年では5年相対生存率は6割を超えました。

低いがん検診受診率

早く見つかれば治療できますが、現在も「がん」は日本の死因第1位です。
年齢調整をしてみると、「がん」による死亡は減少傾向にありますが、「がん」によって亡くなる方の8割以上は高齢者であり、人数は減っていません。検診で早期発見できれば治療できる大腸がん、肺がん、乳がんなどが減少しないのは、日本のがん検診の受診率が依然として低いことが影響していると考えられています。例えば、乳がん検診はアメリカやイギリスでは70%*2を越えていますが、日本は44.6%*1と伸び悩んでいます。
*1:2019年データ  *2:2020年データ

検診受診率が伸び悩む背景

何となく、検診は受けていない 

『忙しくて、それどころじゃない。』
『特に困る症状は無いし。』
根拠はないけれど、2人に1人が「がん」と聞いて、自分は「がん」にならない方の1人と感じている方。

病院の外来を受診する人の3人に1人は自覚症状がありませんでした。
理由を聞くと、ドックを含む健診で進められた方が約44%です。
感染症や皮膚科、呼吸器系の病気は症状があって受診する方が多いのですが、「がん」は違います。
胃ならバリウム検査か胃カメラ、肺はレントゲン、大腸は便検査。
健康診断と併せて受ける、または個別にかかりつけ医で受ける。
50歳を越えたら年に一度、忘れないように予定を入れておくと安心です。
乳がん検診や子宮がん検診は、検査に伴う苦痛を理由にする場合もあるようです。
最近は女性の技師が検査をする、プライバシーや苦痛への配慮がされているところがありますので、ご自分にあったところを見つけておくのもいいですね。

精密検査と言われて受けたら「がん」じゃなかった

『検診に行っただけでは、わからない』
『精密検査と言われて病院に行ったけど、違っていた』という方。

検診では、病気の診断はできません。がん検診は「がんの疑いがあるか調べる検査」です。
精密検査の結果、異常があるわけではない場合もあり、煩わしさを感じるかもしれません。
何年も前に検査を受けたので、大丈夫と感じている場合もあるようです。
がんと診断される人は50歳代以上が多く、年齢が上がると患者数は増えています。

早期発見で、がんが限局している状態であれば、5年相対生存率は大腸がんで97.3%、胃がんは96.7%です。
一方、症状を感じて病院へ行く頃には進行していることも多く、治療により命を救うことが難しくなります。

がん検診をうけよう

お住まいの市区町村で、がん検診は受けることができます。
該当する年齢の方には、クーポンと受診案内が送付されます。
受けそびれた場合でも、手続きをすると検査を受ける事ができる自治体もあります。
肺がん・大腸がん・胃がん・乳がん・子宮頸がんは、検診により死亡率が下がることが証明されています。
早期発見・早期治療が大切です。対象年齢に達した際には、がん検診を受けてみましょう。
自分のからだを知ることが、あなたの未来を救うかもしれません。

 

参考資料:がん情報サービス https://ganjoho.jp/public/index.html
     厚生労働省 受療行動調査

 

                                                                                                        

 

 

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