お知らせ News

  • HOME >
  • 健康コラム >
  • vol.43 運動か?おでかけか?オフの時間を再考する

vol.43 運動か?おでかけか?オフの時間を再考する

2024.09.13

運動は、どのぐらいしたら良いの?

高齢者は1日約6,000歩以上、成人は1日約8,000歩以上が目安

身体活動・運動分野のガイドラインが策定されたのは平成元年、その後、平成5年、平成18年、平成25年に改訂されました。
最新の改訂は令和5年(2023年)で、「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」として発表されました。

このガイドは、「健康日本21」の評価に基づいて作成され、令和元年度の調査結果を元に実現可能な目標値が設定されています。

座りっぱなしへの注意喚起

「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、年齢別の運動時間や歩数に加えて、座位行動に関する注意喚起も追加されました。
「座りっぱなしの時間が長くなり過ぎないように注意する」とされています。本文には、「座り過ぎを避け、今よりも少しでも多く身体を動かすことが基本」とあります。
動けるかどうかは個人差が大きいため、画一的な数値ではなく「今よりも少しでも多く」という表現が用いられています。                              

運動していれば安心?

フレイルと運動、衝撃の事実

私の親世代は55歳で定年でしたが、現在は60歳定年、再雇用で65歳まで、そのうち70歳まで延長される可能性もあります。
働くかどうかは個人の選択ですが、私自身も加齢に伴い、名前が思い出せないとか、関節が痛むことが増えてきました。
運動や食事に気を付けているから大丈夫だと思っていましたが、気になる記事を見つけました。

運動だけでは、フレイル予防は難しい   

このデータは、東京大学の飯島勝矢教授の研究結果です。介護認定を受けていない65歳以上の49,238人を対象に、週に1回以上実施している活動とフレイルの関係を分析しました。
運動習慣、文化活動、地域活動の3種類すべてを行っている人を1とし、フレイルリスクを比較したところ、3つより2つ、2つより1つ、何もやっていない人が最もリスクが高いという結果でした。
驚くべきは、運動をしていないが文化活動や地域活動をしている人の方が、運動習慣のみの人よりフレイルリスクが低かったことです。
運動だけでは安心できない、ということです。

侮れない文化活動と地域活動

考察では、文化活動や地域活動に参加することで、外出したり頭を使ったり、人と話したりすることが、運動だけよりもフレイル予防に効果があるのではないか。また、座りっぱなしにならず、こまめに身体を動かす機会になっているのではないか、という見解が示されています。

オフの時間、どうしていますか?

日々忙しく過ごしていると、休日はゆっくり休みたいという気持ちになります。
「家事もあるし、文化活動や地域活動なんて無理だ」という声が聞こえてきそうですが、休日には仕事とは異なる活動をすることで、心身に良い影響があるかもしれません。
仕事は「行くところ」、家は「帰るところ」です。地域活動に参加することで、安心して生活できる環境や人とのつながりを持つことにもつながるかもしれません。

色々な健康法

以前、ベテランの管理栄養士さんが教えてくれた健康法があります。それは「きょうよう」と「きょういく」です。
「きょうよう」は「今日、用事がある」、「きょういく」は「今日、行くところがある」という意味です。
身体を動かすことは健康に良い影響がありますが、運動だけでは万能薬にはなりません。オフの時間を楽しみ、人とつながることで、運動と併せて豊かな時間を過ごし、相乗効果を生むのです。
おでかけも、人とのお付き合いも、運動同様に大切にしたいですね。

                                                                                                        参考:健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023令和6年1月
吉澤裕世、飯島勝矢他(2019)地域在住高齢者における身体・文化・地域活動の重複実施とフレイルの関係 日本公衆誌 66、306-316

 

 

 

保健指導に関することなら
株式会社ウェルクルへ

プライバシーポリシー