vol.52 乾燥する季節 美肌のための食べ方ポイント
2025.01.24食べたものから、お肌は作られる
冬は乾燥する季節です。肌荒れやかゆみなど、皮膚のトラブルが気になりますよね。
クリームや化粧水などのスキンケアも重要ですが、肌のコンディションを整えるには、皮膚が元気になる食べ物を摂ることが大切です。
バランスが大切
まず大前提として、食事のバランスが大切です。「これだけ食べておけば良い」というものはありません。
潤いのある健康なお肌を作るために、食事のポイントをご紹介します。
皮膚の材料:たんぱく質
お肌のハリとツヤを与える「コラーゲン」は、たんぱく質でできています。
「プロテインで手軽に摂取する」という方もいるかもしれませんが、まずは通常の食事でたんぱく質を考えてみましょう。
たんぱく質を多く含む食品には、肉や魚、卵、大豆、乳製品などがあります。
たんぱく質の1日の推奨量は、男性が60g、女性が50gです※。
たとえば、お肉や魚は種類や部位によって脂質量が異なります。
卵はコレステロールを多く含み、ヘルシーだと思われる豆腐にも大豆油が含まれます。
たんぱく質だけでなく、食材に含まれる脂肪もチェックしましょう。
脂肪の摂りすぎは肌荒れの原因になることがあります。
脂肪摂取量の目安は、1日に必要なエネルギーのうち20~30%(飽和脂肪酸は7%以下)とされています※。
1日1600kcalの方の場合、脂肪から摂るカロリーは320~480kcalが目安です。
脂の少ない「もも肉」と、脂の多い「バラ肉」では、同じグラム数でもカロリーが約2倍違います。
脂肪分を考慮し、良質なたんぱく質が摂れる食材を選ぶようにしましょう。
脂質と肌の関係
バターやクリーム、揚げ物や油多めの炒め物が好きな方は、料理に使う「油」の量を見直してみましょう。
心筋梗塞のリスクを増やすとされる「トランス脂肪酸」は、日本人の平均摂取量は欧米に比べて少ないとされています。しかし、脂肪摂取量が多い方はトランス脂肪酸や飽和脂肪酸の摂取も多いと推測されます。
食材そのものに含まれる脂肪、調理や味付けで追加される油を見直し、適量を意識しましょう。
肉や魚、大豆製品、卵などさまざまな種類からバランスよく選ぶことが、お肌の健康につながります。
皮膚の材料:質の良い脂
潤いのある肌を作るには、細胞間の成分が重要です。
「セラミド」という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。セラミドは肌の保湿成分として欠かせないもので、「必須脂肪酸」から作られます。必須脂肪酸は体内で作ることができないため、食事から摂取する必要があります。
必須脂肪酸を多く含む食品:青魚(イワシ、サバなど)、アマニオイル、エゴマ油
脂質は糖質やたんぱく質よりもエネルギー価が高いので、過剰摂取はカロリーオーバーにつながるため注意が必要です。
皮膚の潤いを保つビタミン類
ビタミンには「脂に溶けるタイプ」と「水に溶けるタイプ」があります。
ビタミンは体内でほとんど作られないため、食事から摂取する必要があります。通常の食事では過剰摂取になることはほとんどありませんが、サプリメントを使用する場合は用量を守ることが大切です。
• ビタミンA
• ビタミンB群
• ビタミンC
• ビタミンE
食物繊維
食物繊維には「水溶性」と「不溶性」の2種類があります。消化されないためエネルギー源にはなりませんが、それぞれに異なる健康効果があります。
• 水溶性食物繊維:果物や野菜に含まれるペクチン、海藻など
• 不溶性食物繊維:未精製の穀類、イモ類、豆類など
水溶性と不溶性をバランスよく摂ることが大切です。
野菜は1日350g(うち緑黄色野菜120g)、果物は200gが目安です※。
水分摂取を忘れずに
乾燥する時期は特に、水分摂取を意識しましょう。
成人の場合、1日に1.5~2リットルの水分摂取が推奨されています(食事中の水分も含む)。
一度に大量に飲むのではなく、こまめに補給するのが良いでしょう。
生活を整えることが大切
食材の選び方に加え、食べる時間や生活リズムも健康なお肌作りに影響します。
十分な睡眠をとり、朝ごはんをしっかり食べること。食事は規則的に、遅い時間帯の食事は避けるようにしましょう。
いかがでしたでしょうか?
健康な肌を作るためには、バランスの良い食材選びと適切な食生活がポイントです。
乾燥に負けない強いお肌を目指してください!
※出典:食事摂取基準2020